Question

運動麻痺を起こすと足に比べて手の回復が遅い人が多いのはなぜですか?

​脳卒中などで片麻痺という症状が生じると、足は装具を使いなんとか歩行できるようになりますが、手の麻痺はなかなか良くならない人を多く見ます。足と手で回復の過程に違いがあるのでしょうか?

Answer

まず、片麻痺とは運動の命令を出し筋肉を動かす神経である『運動神経』が脳の疾患などで障害されることで生じます。

脳卒中などで運動神経が障害された場合、その損傷部位などによっては、下肢が優位に麻痺が生じることもあります。下肢と上肢では運動を伝える神経のスタート地点が若干異なる為、スポット的に下肢を支配している神経が障害されれば、上肢・手の麻痺は軽度で下肢の麻痺が重度というケースもあります。

しかし、多くの場合今回の質問の通り手の障害の方が重度で回復が遅い傾向はあります。

世界的な脳卒中の研究において、『限定されたリハビリテーション資源,時間の制約,そして早期の上肢・手指の運動機能改善の欠如から,治療はバランス障害,歩行や基本的動作に焦点を当てがちである』という記述があります。

つまり、その結果として上肢・手指の回復が遅いということは一つの原因として考えられています。

また、他の要因としては手に対する刺激量が圧倒的に不足しているということも挙げられます。

手は元々、物を触れ・つかみ、道具を使う為に存在しています。

 

眼をつぶっていても手で物を触れると、経験からそれが何であるか、どんな形をしているのか、硬いのか柔らかいのか、重いのか軽いのかを判別できると思います。

手はそれほど感覚に対して過敏な存在であると言えます

しかし、麻痺が生じると1日の中で手で何かを触れる機会は格段に減ります。

そして、そのうち、使えないから使わない⇒使わないからもっと使わなくなるといった悪循環が生じ、元々あった『手としての役割』を失ってしまいます。

このことも手の回復が遅い要因と考えられています。

発症早期から、積極的に手の平に何かを触れさせる、握らせる、握ったものが何であるかを手の感覚だけで捉えようとしてみる。

​こういった意識が手の回復において重要と思われます。

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