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​再発予防に関して

脳卒中の再発予防を考える上で大きく3つ必要なことがあります。

①病気の原因となった危険因子の治療

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、脳の血管が破れたり(脳出血、くも膜下出血)する

脳の血管が損傷することにより生じる疾患の総称です。

脳卒中になるには、少なからず原因があります。その原因、いわゆる危険因子(リスクファクター)で重要

なのが、高血圧、糖尿病、脂質異常症です。

 

脳卒中発症後は、必ずこれらの危険因子に対しての治療が行われます。

特に血圧などは退院後家庭でも毎日測定する習慣をつけ、自身の血圧変動を知っておくことで、「いつもより血圧が高い」「いつもより血圧が低い」という判断が出来るため重要となります。

②生活習慣の改善

 

脳卒中の原因として、①では危険因子を挙げました。これらを引き起こす原因もまた存在します。

それは、食生活や運動習慣、過度なストレス、睡眠時間といった日々の生活習慣です。

過度なストレスは免疫機能を低下させ、いろいろな疾患にかかりやすくなってしまいます。また、ストレス 状態が続くと血糖値を上昇させてしまい、動脈硬化が起こりやすくなるとも言われています。

食事は1日に3回きちんとバランス良く摂り、高カロリー・高脂質を控えることが大事です。食べ過ぎたり、かえって食事量を減らしたり欠食などを行うと、次に食事を摂取した時に一気に血糖値の変動が起こる為、血管を傷つけてしまいます。やはり『バランス良く3食が大事です。​

また、水分量を十分に摂取することも大事です。脱水傾向になると血液が濃くなり、ドロドロしやすく脳梗塞のリスクが高まります。夏はもちろんのこと冬でも気づかないうちに脱水傾向になっている事がありますので、水分制限などを医師から言われていなければ、意識的に摂取するように心がけましょう。アルコールは適度であれば(アルコール20g程度で日本酒なら約1合程度)摂取しても良いとも言われています。しかし、深酒や飲みすぎはもちろん再発リスクが高まりますので止めることをお勧めします。

適度な運動も重要です。

脳卒中後、多くの方が後遺症に対するリハビリに励むことになりますが、再発予防という観点からも運動は必要です。運動することで、心肺機能が高まり循環機能が良くなったり、肥満の防止、ストレス解消などの効果が期待出来ます。リハビリも兼ねて散歩などを定期的に行うと良いでしょう。

③薬物療法

脳卒中後の再発予防には薬物療法は欠かせません。脳出血やくも膜下出血の場合は血管が破れることで発症する為、主に高血圧に対する治療が継続的に行われます。

一方、脳梗塞の場合は血管に血栓という血の塊が詰まることで発症します。その為、脳梗塞治療には「抗血栓療法」と呼ばれる薬物療法がおこなわれます。この薬物療法には大きく分けて「抗血小板療法」と「抗凝固療法」の2種類があります。

(1)抗血小板療法

動脈にできる血栓が原因となるアテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞と呼ばれるタイプの脳梗塞の場合、血小板の働きを抑えて血栓ができるのを防ぐ「抗血小板薬」が用いられます。

現在日本で使われているのは、アスピリン(バファリン、バイアスピリン)、クロピドグレル(プラビックス)チクロピジン(パナルジン)、シロスタゾール(プレタール)の4種類です。

(2)抗凝固療法

脳梗塞の種類の一つに”心原性脳梗塞”と呼ばれるタイプがあります。これは、心臓の不整脈などが原因となり、心臓内で出来た血栓が脳の血管に飛び脳の血管を詰まらせてしまうというものです。心臓内で出来る血栓は、血液中の凝固因子と呼ばれるものが深くかかわって形成されます。その為、”心原性脳梗塞”の場合は、

再発予防として凝固因子を抑える「抗凝固薬」が使われます。

抗凝固薬には、ワルファリン(ワーファリン)、ダビガトラン(プラザキサ)などがあります。

脳卒中予防十か条

 「脳卒中予防十か条」は、脳卒中予防に関する知識をより一層、普及するために

  日本脳卒中協会によって作成されたものです。

1.   手始めに 高血圧から 治しましょう

2.   糖尿病 放っておいたら 悔い残る

3.   不整脈 見つかり次第 すぐ受診

4.   予防には たばこを止める 意志を持て

5.   アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒

6.   高すぎる コレステロールも 見逃すな

7.   お食事の 塩分・脂肪 控えめに

8.   体力に 合った運動 続けよう

9.   万病の 引き金になる 太りすぎ

10.     脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

脳卒中克服十か条
   脳卒中は予防のみならず、発症後は、再発予防のための“治療の継続”と“リハビリテーションの継続”も重要です。そこで、日本脳卒中協会は、脳卒中後も再発を防いで活き活きした人生を送るための「脳卒中克服十か条」も作成しています

1.   生活習慣  : 自己管理 防ぐあなたの 脳卒中

2.   学ぶ    : 知る学ぶ 再発防ぐ 道しるべ

3.   服薬    : やめないで あなたを守る その薬

4.   かかりつけ医: 迷ったら すぐに相談 かかりつけ

5.   肺炎    : 侮るな 肺炎あなたの 命取り

6.   リハビリテーション : リハビリの コツはコツコツ 根気よく

7.   社会参加  : 社会との 絆忘れず 外に出て

8.   後遺症   : 支えあい 克服しよう 後遺症

9.   社会福祉制度: 一人じゃない 福祉制度の 活用を

10.     再発時対応 : 再発か? 迷わずすぐに 救急車

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