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  • 執筆者の写真kyoureha

感覚障害に振動刺激は効果的か?

更新日:2019年9月28日

脳卒中を発症すると、運動麻痺に加え感覚障害が生じるケースは少なくありません。


感覚障害の程度は病巣の部位や大きさなどにより人それぞれですが、感覚障害が重度の場合は運動麻痺が例えなくても、思い通りに手足をコントロールすることが難しくなり、歩行や物品操作などに著しく支障をきたします。


感覚障害の中でも「視床痛」で悩まれている方は多いのではないでしょうか?


視床痛とは、脳の中の視床と呼ばれる部分が障害を受けることにより、持続的で、発作性の耐え難い痛みを引き起こす症状のことです。


視床痛の問題点はなんといっても、鎮痛薬がなかなか効かない難治性の痛みである(頑痛)ということです。何もしていなくても痛みが生じてしまう為、常に患者さんは痛みを感じてしまいます。


視床痛に対する効果的なアプローチに関してはまだ報告が少ないですが、現在視床痛に対するアプローチとして、臨床上効果的だと感じるのが振動刺激(バイブレーション)です。


振動刺激が身体にもたらす影響の一つに、『痙縮抑制』があります。

これは川平法で有名ですが、振動刺激を数分間麻痺側の筋緊張が亢進している筋(例えば肘を曲げる時に作用する上腕二頭筋など)に加えることで、筋緊張が低下する(痙縮が抑制される)という報告があります。これは、日々の臨床上でも効果を実感します。


振動刺激のもう一つの作用として、『運動錯覚』を引き起こすことが報告されています。

運動錯覚とは、簡単に言うと、「筋や腱に振動を加えることで関節運動を起こしているような錯覚が生じるという状態」です。


試して頂くとわかりやすいですが、手に振動刺激を与えると、自分では動かしていないのに、指や手首が曲がる感覚が得られると思います。

この感覚を運動錯覚と言います。


この運動錯覚は疼痛の軽減をもたらすといわれており、疼痛を軽減させる目的でリハビリに応用され始めています。


実際に臨床で視床痛の方に対して振動刺激を行うと、いくつかの効果があります。

①普段感覚が鈍麻していて薄れていた身体の部位(筋や関節など)に対する認識が強まる(自分の筋や関節がどこにあるか実感できるようになる)

②痛みが緩和する


この二つの変化は多くの方で実感が得られている印象です。


振動刺激を行うためのバイブレーション機器は安価でお買い求めしやすいので、自宅でのケアにも良いと思います。


よくリハビリで使われているのはこれです。



ぜひ試してみてください。



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