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  • 執筆者の写真kyoureha

クライエントと作業療法士の協業を促すADOC

リハビリテーションを行う際は必ず目標設定を行います。しかし、クライエントと作業療法士が十分に目標共有できた状態でリハビリを進めることが出来ているかを問われると、そうではないケースも少なくありません。


例えば、脳卒中発症後の対象者と目標設定を行う場合、対象者の方は当然麻痺が生じていれば「もっと動くようになりたい」と答えると思います。

一方、作業療法士は麻痺した手や足が動くようになった先に、何ができるようになりたいのか。この方にとって、どんな作業の再獲得が必要なのかを考えます。

これは、ICF(国際生活機能分類)の活動・参加の部分に着目していると言えます。


活動・参加の部分に焦点を当て、その上で今機能訓練が必要だと評価をすれば機能回復訓練を実施する運びになります。


勿論、この時作業療法士が一方的に価値観や考えを押し付けて、訓練内容や目標を決定してはいけません。クライエントに考えを説明した上で意思を共有する必要があります。


この目標設定の際、クライエントと作業療法士とのコミュニケーションを促進するためのツールとして、ADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choice)と呼ばれるiPadアプリがあります。


ADOC projectのホームページによると、

”このアプリには95枚のイラストが用意されており、パソコン上でカードゲームをするようにクライエント自身が価値のある作業とそうでない作業に振り分けていくことで、クライエントの意思を引き出します。また、クライエントがイラストを選んだ後、同様に作業療法士もクライエントに必要と思うイラストを選びます。そしてクライエントと作業療法士が十分に協議した上で、作業療法で目標とする作業を決定します。”

このように記載されています


近年SDM(Shared decision-making:共有意思決定)の重要性が言われていますが、SDMの実践に繋がる一つのツールとして活用できるのではと思いました。


                                     OT中嶋





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