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執筆者の写真kyoureha

回想法で認知症に眠る能力を引き出す

更新日:2018年11月27日

先日『認知症に眠る「能力」を引き出す昔の道具』という記事を見つけました(8月23日の付けyomi.Dr+より)。


群馬県の介護老人保健施設の認知症病棟で理学療法士が『作業回想法』というものを認知症の方々に対して実践している内容です。



回想法とは、その名の通り『回想』させること、 つまり昔のことを思い出そうとするきっかけを作り、認知機能にアプローチを行う治療法です。


回想法はもともと、 1960年代にアメリカの精神科医、ロバート・バトラー氏が提唱した心理療法です。当初は高齢者におけるうつ病の治療として行われていましたが、長く使われていく中で、後に認知機能が改善することも明らかになり、認知症のリハビリとしても実践されるようになりました。


認知症は、記憶障害が進行する疾患ですが、昔の記憶は比較的最後まで残っていることが多いと言われています。回想法はこの残存した記憶の機能を生かすことで、認知機能を維持・向上させていく治療法と言えます。



私も、病院で働いているとき多くの認知症の方々と関わらさせて頂きました。その中で、大事にしていたのは、ご本人だけでなく、ご家族の方々から、病気の前のその方の性格や好きな事、生活歴などを細かく聴取することでした。

趣味はあったのか、どんな事が好きだったのか、何を大事にして生きてきたのか。



それは、人によって本当に様々で、仕事に価値を置いていた人がいれば、家事をすること、運動する事、孫と触れ合うことに価値を置いていた人もいます。


そういったことをしっかりと聴取した中で、会話をしたり、何か作業活動を取り組むことで普段の会話の中では出てこないような、記憶のしっかりとした発言が聞かれたり、普段は見せない表情などが見られたりすることがありました。



『回想法』というと、小難しく聞こえてくるかもしれませんが、その人に寄り添った情報を提示したり、コミュにケーションをすることで、普段の何気ないコミュニケーションでは、使われない、記憶力や集中力などが使われ、脳が活性化する可能性があるということを覚えて頂けるだけで良いと思います。



会話・対話の大切さを改めて感じる記事でした。



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