一般社団法人
協創リハビリテーションを考える会
Task
肩~肘の動作の円滑性を高める
Problem
・物を掴もうと手を前に伸ばすと肘が曲がってしまい、うまく伸ばす事が出来ない
(例)
エレベーターのボタンを押す時に肘を伸ばして円滑に押すことができない
健側手でコップを持ちながら、もう一方の麻痺側手で、テーブルの前にある布巾を取ることができない
(円滑に動かせず、苛立ちが募るので、健側手に頼ってしまう)
Practice
机に置いたタオルの上に前腕(肘から手首にかけて)を乗せ、その滑りを利用して
肘を前に伸ばしたり、自分の方へ引寄せたりします。
【目的】
・手を前に伸ばす「リーチ動作」と呼ばれる動きを高めることを目的としています。
・腕は重く、空間上で肘を伸ばしたり曲げたりするコントロールは難しいものです。その為、タオルの滑りを利用し、まずは
手の重さを軽くした状態で前に手を伸ばす動きの練習を繰り返し、その運動のイメージを掴むようにします
【具体的実践】
・机と腕の間にタオルを置きます。タオルは手首が安定する様、少し丸めて軽く掌の中で丸めた部分が収まるようにします。
・手首の緊張が高い(屈曲しやすい)方の場合、この動きをする途中で手首が丸まって(屈曲して)しまう可能性があります。
その為、先端のタオルを少し丸めて軽く掌で握ることで手首が安定します。
・肘を前に伸ばしていく途中、机を押し付けすぎてしまい、無意識にブレーキをかけてしまうことがあります。タオルの滑りに
意識を向けながら、「前に手を伸ばしていく」イメージを強く持つことが大事です。「肘を伸ばそう」という意識が強いと机
を押し付けてしまう動きが出てきやすい可能性があります。
・肘を伸ばした後に肘を自分の方へ寄せていく動きも大事になります。この時胸を張るようにすると、肩甲骨が後ろに引かれる
為、肩甲骨の運動にもなります。ただし、この時身体が捻じれないように注意してください。常に身体は前を向けている状態
で一連の動きを遂行します。
・回数は1セット10回~20回を目安とし、毎回常に同じ動きが出来ているかどうかに目を向けましょう。
OT:中嶋