Question

 『脳の可塑性』という言葉をよく聞きます。具体的にはどういうことなのでしょうか?

発症し、リハビリや脳について勉強をしていくと『脳の可塑性』という言葉をよく目にします。なんとなく、「脳は柔軟だからリハビリをすればよくなる」と思っていますが、この考えは合っていますか?わかりやすく教えてほしいです。

Answer

 

◆『可塑性』とは

可塑性という言葉を辞書で引くと、「力を外部から加えて固体を変形させた場合、元に戻らない性質」と書いてあります。

​例えば粘土を思い浮かべてください。粘土は外部から力を加えると変形します。そして変形させた後も、元に戻ろうとせずその形のままです。これが可塑性と言えます。つまり可塑性とは”変化しうる性質”のことを指します。

では、脳の可塑性とは何なのでしょうか。

脳の可塑性とは「神経回路の変化しうる性質」のことを指します。

脳の中のそれぞれの場所(部位)には本来備わっている機能があります(例えば、言葉を司る場所、運動を司る場所、など)。

それは、細胞レベルで役割を持っているのですが、例えば脳卒中などで細胞が死んでしまい、本来の役割が出来なかった時に、本来の機能とは異なる機能を他の細胞が補い、営むようになることで,新たな神経ネットワークを形成することが研究で解明されてきました。そして、新たな神経ネットワークにより失われた機能を再獲得する可能性があることもわかってきました。これこそが、脳の可塑性です。

この脳の可塑性に着目すると、リハビリテーションは非常に有効であるということもわかってきています。

近年、この脳・神経科学の研究成果を応用する形で『ニューロリハビリテーション』という言葉が生まれてきました。

ニューロリハビリテーションは、「神経系の損傷あるいは疾患によって起こる機能障害の回復を最大限に引き起こす臨床専門分野である」と定義されています。これらのことからもわかるように、近年の脳卒中に対するリハビリテーションは、従来の失われた機能を諦め残された能力を最大限に引き出す内容のものから、失われた機能の再獲得を目指す内容へとパラダイムシフトしてきたと言うことが出来るのです。

しかし、ただ漠然とリハビリをすれば可塑性が促されるというわけではありません。

今のところ、どんな事を、どの位の頻度でリハビリを日々行えば、どの程度麻痺が回復する、ということは明言できません。それは、まだまだ研究段階ですが、この考えを元に、いろいろな治療法が出て来ていることは確かです。

現時点で分かってることとして、大事なことは何点かあります。

一つ目は、リハビリの時期です。脳の可塑性が最も生じるのは発症してから1ヶ月ほどと言われています。

つまり急性期のリハビリはとても大事ということが言えます。

2つ目は、です。

新たな神経ネットワークを構築するためには、やはり量が大事です。獲得したい動きを反復する。単純ですがとても大事なことです。

​回復期以降、維持期と呼ばれる時期でも可塑性は生じると言われています。自分が獲得したい動きを療法士と共有して、同じ方向を見据えながら日々リハビリを行う事がやはり大事だと思います。

脳卒中等にならない環境、なっても頑張れる環境を目指して
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