財務省は今月1日の財政制度等審議会の分科会で、医療費の自己負担増や診療報酬の引き下げを提言しました。
ここでは、社会保障制度について今後の医療制度改革の基本的な考え方が記載されています。
この資料には、増え続ける医療費に対して国民皆保険を維持しつつ、制度の持続可能性を確保していくための制度改革視点として大きく3点記載されてます。
①保険給付範囲の見直し
②保険給付の効率的な提供
③高齢化・人口減少下での負担の公平化
「②保険給付の効率的な提供」という視点の中の具体的な検討事項として診療報酬の引き下げが提言されています。
国民医療費の抑制を図るためには、これからの2年間で2%半ば以上のマイナス改定が必要とのこと。
診療報酬の引き下げは、病院など医療機関の経営に直結する問題のため、今後具体的に実行されるのか注目です。
また、「③高齢化・人口減少下での負担の公平化」の中における具体的な検討事項として、 新たに75歳になる者から2割負担の維持 (1割負担となっている者の負担の引上げではない)が提言されています。
現在の高齢者が支払う医療費の自己負担額は、70~74歳が2割で、75歳の後期高齢者になると1割となっています。つまり、今後新たに75歳になった人についても2割の自己負担額を維持するということです。
この提言においても対象者にとっては様々な反応を示すことが予想されます。
今後の動向に注目です。
中嶋侑

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