チーム医療とは簡単に言うと、患者を中心に複数の医療スタッフが連携を取り、互いの専門性を生かしながら補完し合い最適な医療やケアを行う事です。
現代の医療現場において、このチーム医療という概念は、どこの病院・施設においても重要視されていると思います
作業療法士として、急性期病院で働いていたころ、私はこのチーム医療が大好きでした。
毎日一人一人の担当患者に対し、他の職種と状況を確認し合ったり、目標を共有したりすることは、担当患者が多ければ多いほど大変な作業ではありますが、それと同時にチームで患者さんに関わっているという気持ちは一人の療法士としては充実感を覚えるものでした。
また、チームで関わることは自分の職種に対するアイデンティティについて振り返る機会にもなっていたように感じます。
同じリハビリ職である、理学療法士や言語聴覚士の意見を聞き、作業療法士として自分は何ができるか。どんな関わりができるか。
そんなことを常に考えるきっかけになっていました。
チーム医療の必要性に関しては、説明の必要はないと思います。
医療とは決して一人では、一つの職種では、解決できない分野だからです。
一人の人に対して色々な専門家が連携を取りながら役割を持つことで、ようやくより良い医療のスタート地点に立てると思います。
さて、チーム医療は大切。チーム医療が好きだと書きましたが、日々の臨床の中で、チーム医療の輪に患者・家族を本当の意味で含めることが出来ているかは、振り返る必要があると思っています。
医療者側は常にチーム医療を意識して患者や家族と関わり、ニーズや目標など様々なことを職種間で共有をします。
しかし、患者・家族はチーム医療を行おうという気持ちは、元々持ち合わせておりません。
当たり前ですよね。そういった概念を元々知って病気になるわけではないですし、治療を受ける側が意識することではないのかもしれません。
ただ、チーム医療はやはり患者・家族が輪の中にいて成立します。
輪の中にいるということは、情報を受ける、治療を受けるという受け手の立場だけでなく、発信する、送り手の立場でもあるということだと思います。
逆に言うと医療者は、患者・家族に対し情報や治療を提供する送り手の立場だけでなく、患者・家族の真のニーズや意見、などを受け止める受け手の立ち場も求められるということです。
当たり前の様ですが、これがなかなか実現できていないのも現状かと思います。
患者・家族、医療職種のスタッフが相互にコミュニケーションを取り、情報を共有し、一緒に一方的ではなく、納得した形で治療を共に進めていく。
やはり、理想のチーム医療とは、このような形かと思います。
理想のチーム医療は、きっとリハビリテーションの現場において、効果を高めることに繋がります。
一人ひとり、それぞれの立場から、もう一度チーム医療について考えてみることが出来ると良いと思いました。
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